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店舗家賃の値下げ交渉のポイントとは?成功率を上げるポイントを解説
- 目次
店舗やオフィスを運営していくにあたって、コストの削減は切り離せない問題です。コスト削減の対象となってくるのが、店舗・オフィスの家賃となります。
コスト削減のため店舗・オフィス家賃の値下げ交渉をしたいけれど、以下のような悩みを持つ方もいるでしょう。
- 店舗・オフィス家賃の値下げ交渉の方法がわからない
- 店舗・オフィス家賃の値下げ交渉になかなか踏み出せない
本記事では、賃借人が行う店舗・オフィスにおける家賃の値下げ交渉時に知っておくべきポイントを解説します。
成功率を上げるコツも紹介しているので、店舗・オフィス家賃の値下げ交渉を検討されている方は、ぜひ最後までご覧ください。
店舗・オフィス家賃は値下げ交渉できるのか?
賃借人が店舗・オフィス家賃の値下げ交渉をするにあたって、そもそも値下げが可能かどうか気になる方もいるでしょう。条件が整えば、店舗・オフィス家賃の値下げ交渉は可能です。
可能とわかっていても家賃の値下げ交渉に抵抗がある方はいるでしょう。抵抗を感じる理由としては、交渉に必要な条件を知らない点が大きいのではないでしょうか。
賃借人が行う店舗・オフィス家賃の値下げ交渉は、「借地借家法」という法律によって認められた行為です。なお、賃借人側、賃貸人側どちらにも家賃交渉の権利があります。
つまり、法律によって賃貸人と公平な立場になるため、必要な材料を揃えておけば交渉は可能です。
借地借家法については、以下を参照ください。
賃借人が店舗・オフィス家賃の値下げ交渉時に知っておくべきポイント
店舗・オフィス家賃の値下げ交渉時に知っておくべきポイントは、以下の3点です。
賃借人が家賃の値下げ交渉をするにあたって基本となる項目であるため、しっかりとおさえていきましょう。
ポイントその1:交渉は誠実さを伝える
賃借人が店舗・オフィス家賃の値下げ交渉をするにあたって、賃貸人に対して誠実さを伝える必要があります。
家賃の値下げ交渉の前提として、「借地借家法」により賃貸人と賃借人の立場は等しいとされています。しかし、値下げ交渉を受ける賃貸人としては家賃収入が減るため、あまり気乗りがしない話となるでしょう。
そのような状況で、公平性を全面的に押し出してしまうと、聞き入れやすい内容でも抵抗を示される場合があります。
賃借人が交渉の場において誠実さを出すには、相手の立場を尊重した発言を心がけるとよいでしょう。
ポイントその2:値下げ交渉のために必要な理由を明確にしておく
店舗・オフィス家賃の値下げ交渉では、賃借人が交渉に必要な理由を明確にしておかなければなりません。なぜなら、経営が苦しくなったからという漠然とした理由だけでは、不相当と判断される場合があるからです。
正当な理由として認められる例には、主に以下の項目が挙げられます。
- 周辺環境の利便性が変化
- 同じエリアの家賃相場が変動
- 建物の老朽化
賃借人が行う家賃の値下げ交渉に必要な理由は、「現状の店舗・オフィスの価値が契約時と比べてどのように変化したのか?」に注目するとよいでしょう。
ポイントその3:同じエリアの店舗・オフィス家賃の相場を把握しておく
賃借人が行う店舗・オフィス家賃の値下げ交渉では、同じエリアの家賃相場を把握しておく必要があります。なぜなら、家賃相場を交渉材料にすることは、正当な理由として認められやすい項目だからです。
家賃を決定する際は、「賃貸事例比較法」という手法を用いられていることが多く、類似物件が多いほど価格が正確となります。
なお、店舗では内装や立地、オフィスでは間取りや設備が重要となる点に違いがあります。店舗・オフィスの家賃相場は、不動産のポータルサイトや不動産へ直接問い合わせるなどの方法で調べることが可能です。
以下の記事で、店舗・オフィスの家賃相場について解説しているので、参考にしてください。
店舗・オフィス家賃の値下げ交渉タイミングは契約更新時がおすすめ
賃借人が店舗・オフィス家賃の値下げ交渉をするタイミングは、契約更新時がおすすめです。契約更新時は、賃借人が契約継続の意思表示をするタイミングでもあります。
賃貸人側として、値下げ交渉を断る最大のデメリットは、契約している賃借人が退去し家賃収入をなくすことです。一度賃借人が退去してしまうと、空室の期間、収入はなくなり募集をかけるコストや労力も発生します。
そのようなリスクを避けるため、賃貸人は家賃の値下げ交渉に応じやすくなるのです。契約更新時以外には、他の賃借人が退去した場合も同様の理由で、値下げ交渉が通りやすい傾向にあります。
店舗・オフィス家賃の値下げ交渉時の注意点
賃借人が行う店舗・オフィス家賃の値下げ交渉は、以下の4点に注意しましょう。
交渉が決裂してしまったり、賃貸人との関係が悪化したりする場合もあるため、交渉の際は気を付けておきましょう。
注意点その1:不当な値下げ交渉をしない
賃借人が不当な値下げ交渉をしてしまうと、交渉が決裂してしまうリスクを高めるので注意しましょう。
賃貸人は、維持管理に必要な経費や事業計画などに基づいて家賃を設定しています。賃借人がコスト削減のため家賃値下げするということは、賃貸人の負担が増えてしまいます。
そのため、値下げ後の家賃が同じエリアの相場と比べて、かなり安くなるような交渉の仕方をすると、断られる確率を上げてしまうでしょう。
店舗・オフィス家賃の値下げ交渉は、賃貸人が家賃設定をした背景まで考えると、交渉決裂のリスクを下げられる場合があります。
注意点その2:かえって値上げ交渉をされることもある
賃借人が店舗・オフィス家賃の値下げ交渉をした際、逆に値上げ交渉をされることもあるため注意しましょう。
賃借人に家賃の値下げ交渉の権利があるように、賃貸人にも家賃の値上げ交渉の権利があります。ここで重要となるのが交渉に必要な条件です。
物価や税金の上昇は、賃借人だけでなく賃貸人にも影響があります。賃貸人の経営が苦しい状態で家賃の値下げ交渉をしてしまうと、断られるリスクはとても高いでしょう。
経済の状態によっては正当な理由があっても、かえって家賃の値上げ交渉をされてしまう場合があるということも把握しておく必要があります。
注意点その3:物件のマイナスな点をあえて口頭で伝えない
賃借人が店舗・オフィス家賃の値下げ交渉をする際、物件のマイナスな点をあえて口頭で伝えないようにしましょう。
正当な理由として、設備の老朽化などは含まれていますが、マイナスな点を口頭で伝えると賃貸人の気持ちを害することもあります。
どうしてもマイナスな点を伝える場合は、契約当初からどのくらい変化しているのかに着目して話を進めると印象は悪くありません。あくまでも交渉の場であることを忘れずに、適切な言葉を選べるようにしておきましょう。
注意点その4:契約内容によっては家賃値下げができない
契約内容によっては、家賃の値下げ交渉できない場合があるため注意しましょう。
賃貸人、賃借人ともに正当な理由があれば、家賃交渉を行っても問題はありません。しかし、賃貸借契約書に家賃の値下げを行わない旨の内容が記載されている場合は、正当な理由を用意しても値下げ交渉ができない場合があります。
契約時点で確認漏れが無いようにしておきましょう。すでに契約を済ませている場合は、契約期間が終了し新しく契約を結ぶことになると、値下げ交渉が可能になる場合もあります。
契約書は法的な効力を持っているため、違反するような行為だけは避けましょう。
賃借人が店舗・オフィス家賃の値下げ交渉の成功率を上げるコツ
店舗・オフィス家賃の値下げ交渉時は、以下の3点に注意すると成功率を上げられます。
コツその1:普段から賃貸人と良好な関係を築いておく
普段から賃貸人と良好な関係を築いておくと、家賃の値下げ交渉を成功させやすくなります。良好な関係といっても、ただ仲よくしていればよいというものではなく、賃貸人と賃借人としての関係性が築けているかどうかが重要です。
家賃の滞納や契約期間中にトラブルを起こさないよう、日頃から注意しておきましょう。
また、初対面で交渉の話を持ち掛けるのではなく、事前に顔合わせをするだけでも賃貸人からの印象が変わってきます。
コツその2:賃貸人にとってメリットがある旨を伝える
賃貸人にとってメリットがある旨を伝えると、賃借人は家賃の値下げ交渉に成功しやすくなります。
賃貸人は、家賃収入を得るために物件を貸し出しています。正当な理由であれ値下げに承諾すると、賃貸人にとってはマイナスでしかありません。
家賃の値下げをしてもらう代わりに、賃借人側から賃貸人にとってメリットを提示できると、状況を公平に保つことができます。
店舗・オフィスともに賃貸人へ示せるメリットとしては、退去リスクがなくなる点が挙げられます。
なぜなら家賃の値下げによりコストの削減ができ、必要な経費に充てられる資金が増えるため、商品やサービスの品質を維持もしくは向上できる可能性があるからです。結果、経営が安定し、現状の店舗・オフィスに留まり続けられるようになります。
賃借人の退去により家賃収入がなくなるよりも、家賃を値下げして長くいてもらう方が、賃貸人側としても妥協できるポイントとなります。
コツその3:交渉の場においてお願いする立場であることを忘れない
賃借人は交渉の場において、お願いする立場であることを忘れないようにしましょう。
家賃の値下げ交渉は法律的にも認められていますが、賃貸人にとってはあまりメリットがありません。貸借人が「正当な理由があるから値下げしてもらって当たり前」のような態度で交渉に臨むと、賃貸人はさらに不愉快になるでしょう。
あくまでも「家賃を値下げできたら、なお良し」ぐらいのスタンスでいると、賃貸人にとっても悪い印象にはなりません。仮に交渉を断られたとしても、貸借人側も精神的なダメージを軽減できます。
賃借人が店舗・オフィス家賃の値下げ交渉を断られた場合にできること
賃貸人の状況が苦しかったり、こちらが提示する条件が賃貸人にとってメリットを感じなかったりした場合、店舗・オフィス家賃の値下げ交渉を断られることもあるでしょう。
しかし、交渉を断られたからといってその場であきらめる必要はありません。交渉を断られた後は、以下の3つの対応を検討してみましょう。
賃貸人のメリットを提示して再交渉する
値下げ交渉を断られる理由として、単純に値下げ交渉のみをしてしまっていた場合が考えられます。値下げ交渉は賃貸人にとっては、家賃収入を下げる行為であるため、すんなりと受け入れられるものではありません。
賃借人が提示できる最大のメリットは、値下げ交渉に応じてもらうことで契約を継続していく意思を示すことです。
値下げ交渉が成立すると、賃貸人は家賃収入が減少します。しかし、長期的に契約を継続するのであれば、安定した収入を見込めるでしょう。
契約継続を示してもらうことで賃貸人は、新しい賃借人を探す手間やコストがかからなくなります。
再交渉するにあたっては、一定期間を設けたほうが成立しやすいでしょう。また、契約更新時がおすすめです。
交渉に必要な情報を集めなおす
賃借人が家賃の値下げ交渉を断られた場合は、再交渉のために必要な情報を集めなおしましょう。
再交渉に必要な情報には、以下のようなポイントがあります。
- 周辺環境の変化
- 周囲の家賃相場を調べる
- 使用している物件が経営に支障をきたす要素があるかどうか
再交渉に必要な情報にも正当性が必要です。賃貸人を納得させられるように、情報収集を入念に行ってから再交渉に臨みましょう。
専門家に相談する
賃借人が店舗・オフィス家賃の値下げ交渉を断られた場合、不動産の専門家に相談しましょう。具体的には不動産鑑定士、弁護士、不動産コンサルタントが挙げられます。
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賃借人が店舗・オフィス家賃の値下げ交渉は、必要な情報をそろえるのにもかなり手間がかかります。賃貸人によっては交渉が難しいケースもあるでしょう。
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