コスト関連

コンビニ経営者が押さえるべき最新コスト削減術 !業界動向と課題も解説

目次
  1. 【最新版】コンビニ業界の動向と課題
  2. コンビニ経営におけるコスト上昇の現状
  3. 固定費、変動費、あらゆる角度から見る!最新のコスト削減術
  4. コスト削減に向けた業務効率化方法
  5. コスト削減と並行し、収益の柱を強化!売上向上に向けたマーケティング戦略
  6. コスト削減の具体的事例
  7. まとめ
  8. コスト削減で悩んでいるなら専門のコンサルタントに相談してみませんか?

コンビニエンスストアは日本の生活に欠かせないインフラですが、その経営は楽観視できる状況ではありません。市場の飽和、競争激化、人手不足、原材料費高騰など、コンビニ経営を取り巻く環境は厳しさを増しています。収益を確保し、持続可能な経営体制を構築するためには、従来の常識にとらわれない、最新のコスト削減術を積極的に導入していく必要があります。本記事では、コンビニ経営者が直面する課題と、その解決策となる最新のコスト削減術を、成功事例を交えながら具体的に解説していきます。

【最新版】コンビニ業界の動向と課題

コンビニ業界の最新の動向について

2024年のコンビニ業界では、人手不足やエネルギーコストの高騰、DX(デジタル・トランスフォーメーション)の進展が重要な課題となっています。特に、労働力の確保が難しくなっており、自動化や省人化を進める店舗が増加しています。セルフレジやAIによる在庫管理など、デジタル技術の導入が進んでいます。

セブンイレブン は2020年9月からセミセルフレジを導入し、現在は約9割の店舗で利用可能で、2025年までの全国導入を目指しています。2022年1月時点でローソンはセルフレジとしても使えるレジを約5割の店舗で導入済で、ファミリーマートでは約4割の店舗にセルフ専用レジを設置しています。今後、さらにセルフレジの導入が進む見込みです。

参照:【独自】セブン―イレブン、セルフレジを25年までに全国展開…人手不足や「非接触販売」に対応(読売新聞)

また、エネルギー価格の上昇に伴い、光熱費削減のための省エネ設備への投資も加速しています。さらに、消費者ニーズの変化に対応するため、無人店舗や小型店舗の展開など、新たなビジネスモデルが模索されており、業界全体で効率化と経費削減の取り組みが進んでいます。

コンビニ業界の課題について

コンビニ業界は、現代社会において多岐にわたる課題に直面しています。ここでは、業界の厳しい現実を少子高齢化、競争激化、コスト増加異業種からの参入の4つの観点から詳しく見ていきます。

少子高齢化による市場縮小

日本は急速に少子高齢化が進んでおり、コンビニ業界に大きな影響を与えています。人口の減少により若年層の購買力が低下し、将来的な市場縮小は避けられない状況です。これに対応するため、コンビニ各社は新たな顧客層の開拓や新商品開発に力を入れる必要があります。

人手不足の深刻化

人手不足は、コンビニ経営における深刻な課題の一つです。少子高齢化に伴い労働力が減少しており、24時間営業を維持するための人員確保が難しくなっています。これに対応するために、作業の効率化や、自動化技術の導入を進めることが求められています。

原材料費や光熱費の高騰によるコスト増

近年、原材料費や光熱費が高騰しており、商品価格に影響を及ぼしています。エネルギー価格の変動や国際情勢がコストに直接響いているため、価格設定の見直しや、持続可能なエネルギーの利用が求められています。店舗の経費を削減するための工夫が不可欠です。

異業種からの参入による競争激化と新たな挑戦

ドラッグストアやスーパーなどの異業種がコンビニ式サービスを取り入れ、食品領域に進出することで、コンビニ業界での競争が激化しています。顧客の購買行動が変化する中で、コンビニは特色を出すための差別化戦略が一層重要になっています。例えば、地域の特産品を品揃えに加えたり、独自の商品開発に取り組んだりすることで、競争力を強化し顧客の興味を引きつけることが求められています。

安定した利益と持続可能な成長を実現するために、コンビニ各社には徹底したコスト管理が求められています。効率的な運営と収益構造の改革、さらには顧客と密接に連携したマーケティング戦略の構築が急務となっている状況です。

コンビニ経営におけるコスト上昇の現状

コンビニ経営におけるコスト構造は複雑で、多岐にわたる要因が影響しています。ここでは、主なコスト要因である人件費、賃料、仕入れコストについて詳しく解説します。

人件費の上昇

人件費は、コンビニ経営において最も大きなコスト要因の一つです。特に、労働力不足の状況下では従業員の確保が難しく、賃金の上昇が避けられません。これが全体のコストを押し上げる大きな要因となっています。夜間の人件費の高騰は、24時間営業の店舗にとって大きな負担です。

賃料の圧迫

次に、賃料の上昇がコンビニ経営を圧迫しています。特に、交通の便が良い好立地の物件は高額になりやすく、経営に多大な影響を及ぼします。立地の良さと賃料のバランスを考慮し、契約更新時には慎重な交渉が求められます。

仕入れコストの増加

仕入れコストの増加も、経営にとって無視できない要素です。原材料費の高騰は、直接商品の価格に反映され、利益率を圧縮します。また、物流費の上昇による影響で、仕入れに掛かるコストは増加傾向にあります。したがって、より効率的な仕入れ先の選定と、物流コスト削減に向けた工夫が必要です。

これらの各コスト要因に対処するには、具体的な戦略と実行が不可欠です。人件費については、業務の効率化やテクノロジー導入によって、少人数でも運営可能な店舗を目指すことが求められます。賃料は市場の動向を常に把握し、適宜見直しと交渉を行うことで、コスト削減を図ります。仕入れコストは、長期的な契約や大量発注による割引を利用することなどが考えられます。

コストの上昇要因をしっかりと把握し、最適な対策を講じることが、コンビニ経営を成功に導く第一歩です。

固定費、変動費、あらゆる角度から見る!最新のコスト削減術

固定費の見直しは、コスト削減の王道です。特に、賃料、光熱費、通信費などの見直しは、一度削減できれば長期的に大きな効果が期待できます。

賃料見直しの具体的手法

契約更新時に賃借人が賃料の減額交渉を行うことはもちろん、近隣エリアの賃料相場を調査し、現状との差が大きい場合は、契約期間中でも賃料減額交渉を検討する価値があります。フランチャイズ本部によっては、賃料交渉を代行してくれる場合もあるため、積極的に相談してみましょう。

仕入れコスト削減の方法

複数の卸売業者から見積もりを取り、価格競争を促すことで、仕入れコストの削減を目指します。また、共同仕入れやプライベートブランド(PB)商品の導入も、仕入れ価格の低減に有効です。さらに、廃棄ロスを減らすために、需要予測に基づいた適切な発注システムを導入することも重要です。

光熱費の削減

LED照明への切り替え、省エネタイプのエアコンの導入、営業時間の見直しなど、できることから取り組みましょう。初期費用はかかりますが、長期的に見れば大きなコスト削減効果が期待できます。

コスト削減に向けた業務効率化方法

人手不足が深刻化する中、業務効率化は早急に解決が必要な課題です。従業員一人ひとりの生産性を向上させることで、人件費の抑制だけでなく、顧客サービスの向上にもつなげられます。

テクノロジー導入のメリット

テクノロジー導入のメリットは、コンビニ経営において非常に多岐にわたります。例えば、POSレジシステムを導入し、売上データをリアルタイムで収集・分析できるようになれば、店舗運営における効率性が大幅に向上します。このデータは、精度の高い商品発注に役立ち、過剰在庫や品切れといったリスクを最小限に抑えます。また、顧客の購買傾向を詳細に把握し、ターゲットを絞った効果的な販促活動を行うことで、売上の最大化が図れます。

セルフレジの導入は、従業員の業務負担を軽減し、人手不足が深刻化する現状において非常に重要です。限られた人員をより効率的に配置できるようになれば、店舗全体の運営効率が向上します。また、セルフレジは顧客が自分で会計を行うため、レジ待ちの時間が短縮され、顧客満足度の向上にもつながります。結果として、回転率の向上やリピーターの増加が期待でき、店舗の売上や利益に直接寄与します。

さらに、最新のセルフレジやPOSシステムは、タッチレス決済や電子マネーの対応など、顧客が求める利便性にも対応しています。従来の現金のみの会計と比べ、会計時間の短縮と共に安全性や衛生面の向上も図れ、特に昨今の社会状況において、安心して利用できる環境を提供できます。

発注業務の効率化

過去の販売データを活用できる自動発注システムの導入により、従業員が手作業で行っていた発注業務の負担を大幅に軽減できます。自動発注システムは、特定の商品がいつどのくらい売れるのかを精密に予測し、在庫不足や過剰在庫を防ぐので、売上機会の損失を減らしながら効率的な商品管理を実現します。

さらに、本部による集中発注システムの利用は、コスト削減にもつながります。店舗が個別に発注する場合よりも、本部が一括で大量に商品を仕入れることで単価が抑えられ、低価格での仕入れが可能になります。これにより、スケールメリットを活かし、全体のコスト削減を図ることができます。

発注業務の効率化は、従業員の時間的な負担を軽減し、店舗運営の他の重要な業務に注力できる余地を生むだけでなく、利益率向上にも寄与するため、今後ますます重要性が高まっていくでしょう。

コスト削減と並行し、収益の柱を強化!売上向上に向けたマーケティング戦略

コスト削減の効果を最大限に引き出すためには、売上向上に向けたマーケティング戦略も同時に実行していく必要があります。

成功するマーケティング戦略

近隣住民の属性やライフスタイルを分析し、ターゲットに合わせた商品展開や販促活動をすることが重要です。例えば、単身世帯が多い地域では、個食対応の商品や簡便性の高い商品を強化する、ファミリー層が多い地域では、子ども向けの菓子や飲料を充実させるなど、地域密着型の店舗づくりが求められます。

顧客満足度の向上とコスト削減のバランス

顧客満足度の向上はリピーター獲得につながり、長期的な売上向上に貢献します。しかし、行き過ぎたサービスはコスト増加につながる可能性もあるため、顧客満足度とコストのバランスを常に意識することが大切です。

競合との比較分析の重要性

近隣にある競合店の商品ラインナップ、価格設定、サービスなどを分析することで、自店の強みと弱みを明確化し、差別化戦略を立てられます。

コスト削減の具体的事例

【事例1】セブンイレブンのLED照明導入で電気代削減

セブンイレブンは、店舗の電力使用量の約15%を占める店内照明の省エネ化のため、2008年からLED照明の導入を開始しました。2011年にはLEDを標準仕様にし、店頭看板やサインポール、店内照明にも採用。さらに2014年には、電力消費を約50%削減できる新型LED照明を導入しています。

参照:LED照明(株式会社セブン‐イレブン・ジャパン)

【事例2】無人コンビニ「TOUCH TO GO」

JR高輪ゲートウェイ駅に無人コンビニ「TOUCH TO GO」が設置されました。通称「TTG」は商品のバーコードスキャンが不要で、商品を取るだけで購入できます。天井のカメラ、赤外線、商品棚の重量計が連動し、AIが購入商品を自動で判断します。出口で購入品と金額を確認し、Suicaなどの交通系電子マネーで決済する仕組みです。今後はクレジットカードにも対応し、利便性がさらに向上する予定です。

TTGの導入で既存の店舗を無人店舗化することで、レジ作業が削減されます。店舗監視や接客はコールセンターでの対応が可能になるため、人件費を最大75%削減できるとしています。2024年3月時点で、TTGの技術を導入している店舗は約160店舗に達しています。この技術は、効率的な店舗運営を実現し、特に人手不足が問題となる地域や夜間営業の店舗において有効です。

参照:TOUCH TO GOが提案する「サテライト型」と「ハイブリッド型」2つの無人店舗戦略(MD NEXT)

まとめ

コンビニ業界は、常に変化し続けています。本記事で紹介した最新のコスト削減術を参考に、自店に最適な方法を組み合わせることで、変化の激しい時代にも対応できる収益構造を構築していくことが重要です。常に最新の情報に目を向け、多角的な視点から経営課題に取り組むことで、コンビニ経営の未来を切り開きましょう。

コスト削減で悩んでいるなら専門のコンサルタントに相談してみませんか?

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