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【2025年9月版】オフィス賃料推移と相場比較|今後の見通しも解説

目次
  1. 【最新】2025年8月時点の東京・大阪オフィス賃料
  2. 【オフィス賃料推移】2020年~2025年の推移と動向
  3. 【全国比較】オフィス賃料の坪単価|全国ランキング
  4. 【分析】コロナ前後の賃料変動と二極化の背景
  5. オフィス賃料はどう動く?今後の見通し
  6. オフィス戦略の見直しは「今」がチャンス

東京都心と大阪中心部のオフィス賃料は、ここ数年で大きく変動しました。コロナ禍によるテレワークの普及やオフィス縮小・解約の増加で、空室率は上昇し、賃料は下落しました。しかし、2023年以降は回復基調に転じ、賃料は再び上昇傾向を示しています。
本記事では、2020年から現在までのオフィス賃料推移と、2025年以降の見通しをデータに基づいて解説します。さらに、東京・大阪の賃料動向を全国主要都市と比較し、今後の賃料戦略に役立つ情報を提供します。

【最新】2025年8月時点の東京・大阪オフィス賃料

東京ビジネス地区(都心5区)の現状

2025年8月時点で、東京ビジネス地区(千代田・中央・港・新宿・渋谷)の平均募集賃料は21,027円/坪(月額)です。2025年6月の20,877円/坪からわずかに上昇し、前年同月比では約6%の増加となりました。
空室率は2.85%まで低下し、2021年6月の6.19%をピークに改善が続いています。コロナ禍で一時的に賃料が下落したものの、2023年以降は回復基調にあり、2024年から2025年にかけては上昇トレンドが鮮明です。

年月賃料(円/坪)空室率(%)
2019年6月21,5181.72
2020年6月22,8801.97
2021年6月21,1606.19
2022年6月20,2736.39
2023年6月19,8386.48
2024年6月19,9795.15
2025年6月20,8773.37
2025年8月21,0272.85

大阪ビジネス地区の現状

大阪ビジネス地区(梅田・淀屋橋本町・中之島など)の平均募集賃料は12,522円/坪(月額)です。2025年6月の12,340円/坪から上昇し、2019年以降で最も高い水準となっています。空室率は3.74%で、2022年の5.01%から改善が進んでいます。東京と同様、コロナ禍で一時的に空室率が上昇しましたが、2023年以降は回復傾向が続いています。

年月賃料(円/坪)空室率(%)
2019年6月11,5972.23
2020年6月12,0262.46
2021年6月11,8744.24
2022年6月11,8805.01
2023年6月11,8744.85
2024年6月12,1194.23
2025年6月12,3403.67
2025年8月12,5223.74

出典:三鬼商事「オフィスマーケットデータ 2025年8月時点」

オフィス賃料の相場|適正額を算出するポイントを解説
オフィス賃料の相場|適正額を算出するポイントを解説

【オフィス賃料推移】2020年~2025年の推移と動向

コロナ前の市場(2019年~2020年上期)

2019年当時、東京都心5区の平均空室率は1.55%と過去最低水準で、坪単価は2万円を超える高水準でした。大阪も同様に、2020年6月時点で平均賃料は12,026円/坪、空室率は2.46%と低水準を維持していました。

出典:三鬼商事「オフィスマーケットデータ 2019年12月」

出典: 東急リバブル株式会社「大阪オフィスマーケット|2024年の新規オフィスビル大量供給による変化と見通し

コロナ禍の急激な変化(2020年後期~2022年)

2020年以降、テレワークの急拡大によりオフィス需要は大幅に減少しました。東京都心5区では、2021年10月に空室率が6.47%まで上昇し、新規需要はマイナス12万坪と大幅な減少となりました。大阪も同様で、2022年3月には空室率が5.22%に達しています。
賃料は東京で2022年に前年比▲2.9%、2023年も▲1.1%と下落し、2023年7月時点では19,819円/坪まで低下しました。大阪も2021年末時点でピークから約2%減の11,796円/坪となっています。

出典:三菱UFJ信託銀行「東京・大阪・名古屋のオフィス賃貸市場予測(2022 年 4 月)

出典:株式会社ボルテックス「不動産の2025年問題と東京都心部のオフィスビル市況

出典:東急リバブル株式会社「大阪オフィスマーケット|2024年の新規オフィスビル大量供給による変化と見通し

回復と現状(2023年~2025年)

2023年以降、景気回復とともにオフィス需要は持ち直しました。東京では2023年後半から坪単価が再び2万円台を回復し、大阪も同時期から上昇傾向にあります。2025年8月時点では、東京の平均空室率は2.85%、大阪は3.74%と、いずれも回復基調を維持しています。

出典:三鬼商事「オフィスマーケットデータ 2025年8月時点」

【全国比較】オフィス賃料の坪単価|全国ランキング

2025年8月時点の主要都市におけるオフィス賃料(坪単価)は以下の通りです。

地域坪単価(円)
東京都心5区21,027
大阪主要6区12,522
名古屋12,726
福岡12,108
仙台9,477
札幌10,916

東京都心5区は主要6都市平均の約2倍と突出しており、賃料負担が大きいエリアです。一方、大阪や名古屋は東京よりも低水準で、コストを抑えたい企業の移転候補地として注目されています。

出典:三鬼商事「オフィスマーケットデータ 2025年8月時点」

【分析】コロナ前後の賃料変動と二極化の背景

コロナ禍ではテレワークの普及によりオフィス需要が急減し、賃料は一時的に下落しました。ただし、新規供給が限定的だったため、大幅な下落は回避されました。2022年以降は、丸の内・大手町・梅田などのハイグレード物件は高稼働率を維持し、賃料も上昇。一方で、郊外や築年数の古いビルでは空室が目立ち、賃料は低迷しています。

出典:株式会社ボルテックス「不動産の2025年問題と東京都心部のオフィスビル市況

オフィス賃料はどう動く?今後の見通し

2025年〜2026年:新規供給が続く中でも、空室率は低水準を維持

2025年は東京・大阪ともに新築オフィスの供給が継続する見通しです。しかし、三鬼商事の「オフィスマーケットデータ(2025年8月時点)」によると、都心部の空室率は依然として低水準を維持しています。

地域空室率    賃料水準
東京(都心5地区)2.85%(前月比 -0.31pt)21,027円/坪(上昇傾向)
大阪(主要6地区)3.74%(前月比 +0.05pt)12,522円/坪(上昇傾向)

出典:三鬼商事「オフィスマーケットデータ 2025年8月時点」

一方で、大阪駅周辺や梅田エリアでは大規模な再開発が進行しており、今後も高スペックな新築オフィスの供給が続く見込みです。さらに、2031年には「なにわ筋線」の開業が予定されており、交通利便性の向上によってオフィス需要が刺激される可能性もあります。

2028年以降:供給増加で二極化が進行する可能性

2028〜2029年には、東京・大阪ともに過去最大級のオフィス供給が予定されています。この時期には空室率が一時的に上昇する可能性もあります。ただし、丸の内・大手町・梅田などの中心業務地区(CBD)では、立地やスペックに優れた物件が多く、企業の集積が進んでいることから、高稼働率を維持しやすい傾向があります。一方で、築年数が古く、立地条件に劣る物件では空室リスクが残り、賃料調整を迫られるケースが増える可能性があります。

サステナブルビル(ZEB)へのシフト:ESG志向が賃料に影響

企業のESG志向が強まる中、環境性能の高いオフィスビル(ZEBなど)への需要が高まっています。環境省によると、ZEBはエネルギー消費量を大幅に削減できる設計であり、企業の環境対応やブランディングにも寄与します。こうした物件は空室率が低く、賃料もプレミアム価格で推移する傾向が見られます。

参考:三鬼商事株式会社「大阪の都市機能が頂点に!主要ビジネスエリアの再開発」

参考:環境省「ZEBとは?

オフィス戦略の見直しは「今」がチャンス

東京・大阪のオフィス市況は回復基調にありますが、2025年以降は大規模供給による競争激化の可能性があります。このタイミングは、賃料交渉やオフィス移転を検討する好機です。まずは、現在の賃料が市場相場と比べて適正かを確認し、戦略的にコストを見直しましょう。

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