店舗経営
賃料適正化コンサルティングとは?|もたらす効果やコンサル導入における注意点
- 目次
賃料の適正化は、店舗経営において費用削減に有効に働き、家賃やリース費用などの固定費で経営が圧迫されている際の大きな施策といえます。
- 賃料を適正化するための取り組みを検討したい
- コストの適正化を図りたい
このように、経費削減や賃料の適正化に悩む店長・マネージャー様は多いのではないでしょうか。
今回は、経費削減やコストの適正化を図る店舗経営者様やオーナー様へ向け、賃料適正化の手順や方法、また、それを外部のコンサルタントがサポートする、賃料適正化コンサルティングがもたらす効果をお伝えします。
賃料適正化における課題を考えることで、賃料適正化を効果的に導き経営コスト削減に役立ちます。
本記事でご紹介する情報を、経費削減に向けた賃料適正化にぜひお役立てください。
賃料適正化とは?
賃料適正化とは、現在の契約している賃料を適正価格に見合った賃料に合わせる取り組みのことです。
賃料の適正化により現在の家賃から価格が下がることで、経費削減につながります。
賃料適正化は契約当初の内容を見直し、周辺環境の変化や建物の状況などに応じて適正な価格に修正することを目的としています。
そのため、一般的な賃料減額交渉とは異なります。あくまでも現在の状況に適正な価格であるかを借主と貸主の間で話し合い、双方が納得のいく交渉内容であることが重要です。
また、経費削減として人件費削減を検討されている方は、人件費削減への注意点や成功ポイントをまとめたこちらをご覧ください。
賃料適正化の必要手順
賃料適正化を効率的に進めるには、主に以下のような手順を踏む必要があります。
- 賃料協議において妥当性を裏付ける資料を回収
- 物件の土地・建物の現在価格と利回りの計算
- 周辺環境の変化に伴う経営比率の変化を計算
- 賃料適正化依頼書の作成
- 貸主の対応力や立場を理解した協議術を考える
- 機会損失にならないよう適切な時期に協議を行う
賃料適正化の妥当性を裏付ける資料例
賃料適正化において特に重要となるのは、なぜ適正化が必要なのかという妥当性です。
納得感のない一方的な主張ではいけません。そのために必要となる、回収すべき資料について解説します。
【賃料適正化に活用できる資料例】
対象物件の状況や契約内容によって必要な資料は変わります。
例として適正化の協議には、以下の資料を準備したほうがよいでしょう。
資料名 | 目的 |
賃貸借契約書(または公正証書) | 契約内容や特約の確認 |
覚書 | 当初の契約内容からの変更点の確認 |
支払い明細 | 契約内容と支払額が一致しているかどうかの確認 |
工事・修繕記録(写真他) | 物件の状態が契約当時と同じかどうかなどの確認 |
公図 | 複数家主の場合の面積などの確認 |
謄本 | 貸主の減額対応力があるかの確認 |
土地白書 | 土地価格の変化を確認 |
公示価格/基準地価 | 現在の土地の価格調査 |
路線価(物件が市街化区域の場合) | 現在の土地の価格調査 |
固定資産税の評価額 | 土地と建物の価格を確認 |
減価償却後の残存価格 | 建物の価格調査 |
全国企業倒産白書 | 経済事情の変動を示す為 |
国民生活白書 | 経済事情の変動を示す為 |
公課証明 | 土地、建物の税額と評価額 |
不動産鑑定書 | 物件の現在賃料の妥当性を検証し、評価し根拠のある交渉ないようにする為 |
自社の経済的指標(PLなど) | 自社状況を適切に把握していただく為 |
これらの資料や他の様々な情報を分析・調査し、そもそも適正化が必要かどうか、適正価格はいくらかの診断をして協議資料などを作成します。
ビズキューブでは賃料適正化に必要な適正賃料の診断を無料でおこなっておりますので、ぜひ貴社の賃料適正化にご活用ください。
しっかりとした準備のもと、万全な資料が出来上がれば、なぜ、どのような根拠をもとに、適正な賃料を示しているのか、といったことを伝えることができるでしょう。
自力で賃料減額交渉をする際の課題
賃料適正化を個人や社内で取り組む際の課題は以下の3つがあります。
- 貸主との関係性の悪化
- 知識不足による成功率の低下
- 経営との平行業務による作業負担
それぞれの項目について、詳しく紹介します。
課題その1:貸主との関係性の悪化
1つ目の課題は、貸主との関係性の悪化です。
借主のみに有利に働くような一方的な提案内容を訴えることは、貸主とのこれまでの信頼関係を一気に失う可能性がある、非常に危険な行為です。
信頼を失った結果、建物に問題が発生した際や修繕が必要になった際の相談がしづらいことや、今後の賃料適正化交渉を進めにくいといった問題だけでなく、再契約が出来なくなるといった事態に発展することもあります。
貸主との信頼関係の維持には、貸主の減額対応力の確認や適正価格の試算の際に、貸主の期待利益(収入)と利回り(投資回収)を考慮するなどの対応が必要です。
これらの対応を怠ることは、貸主からの信用を失い今後の経営に支障をきたす可能性があります。
このように、借主と貸主双方の合意のもとで家賃交渉を進めることが、賃料適正化に導く重要な課題であるといえます。
課題その2:知識不足による成功率の低下
2つ目の課題は、知識不足による成功率の低下です。
専門知識や情報不足は、賃料交渉が失敗に終わるケースや、成功しても効果がうすいなどの結果を招きかねません。
効果的な資料を苦労して回収できても、資料をどのように活かすべきか、貸主にわかりやすい資料はどれかなどの判断がつかない場合は、協議がうまくいかない可能性もあります。
安全で確実に賃料適正化を進めるには、専門的な知識を学んでおく必要があります。
課題その3:経営との平行業務による作業負担
3つ目の課題は、経営との平行業務による作業負担です。
確実に賃料を適正化に導き、かつ効果の高い結果を得るためには、正確な資料の回収と分析、そして専門的な知識を学んでおく必要があります。
そのため、経営業務や店舗業務との平行作業による作業負担の発生が考えられます。
作業負担は、タスク管理の煩雑化やミスの発生リスクを高め、重大なトラブルを招きかねません。
このように、経営との平行業務は経費削減への道のりを困難にし、通常の業務に支障をきたすことが考えられます。
賃料適正化コンサルティングがもたらす効果
課題から、賃料の適正化には時間と労力がかかることがわかりました。
そこで、近年注目されている賃料適正化コンサルティングがもたらす効果についてご紹介します。
賃料適正化コンサルティングは、賃料の適正化に必要な資料回収や専任コンサルタントによる分析・診断、そして交渉資料の準備やストーリーの作成のサポートを担います。
賃料適正化を専任のコンサルタントに依頼するメリットは、主に3つあります。
- 客観的な立場で協議をサポート
- 正確な情報をもとに適正価格に導く
- 複雑な書類業務も全て任せられる
それぞれの項目について、詳しく解説します。
効果その1:客観的な立場で協議をサポート
1つ目の効果は、客観的な立場で協議をサポートすることにより、貸主との関係性を良好に保った状態で交渉を進められる点です。周辺環境の変化や土地の価格に配慮し、家賃が適正であるかどうか、適正でない場合には適正な価格はいくらかをデータや資料をもとに算出します。
そのため、あくまでも客観的な視点から減額提案の内容構成を行うため、貸主との関係性を保ち信頼関係を築きながら賃料協議を進められます。
このように、賃料適正化のコンサルタントのような専門家がサポートをおこなうことで、無理なく平和的に協議を進められるでしょう。
効果その2:正確な情報をもとに適正価格に導く
2つ目の効果は、正確な情報をもとに適正価格に導き、コスト削減に効果的に働くことです。
賃料コンサルティング会社は、不動産鑑定士や不動産における専門的な資格や登録のある専門家により資料の回収、分析が行われます。
集められたデータや資料をもとに、客観的な視点から減額が妥当であるかどうかの判断、適正価格が算出されるため、貸主にもわかりやすく双方が納得のいく形で交渉を進めることができます。
この点において、不動産に関する知識を有した専門家が関わっているかは、大きなターニングポイントです。
弊社のお客さまには、独自で情報を収集して賃料協議を行われていた方がたくさんいらっしゃいます。中にはつい最近減額した物件が、実は適正価格まで下がっていなかったということが、コンサルタントの診断によって発覚したケースも多々ありました。
このような状況では、適正賃料との差があったとしても、再度適正化を行うためには1年半~数年ほどの期間を空けなくてはなりません。そうなると、ベストなタイミングを逃す結果になることも考えられます。
自社のみで取り組む場合には、低すぎる賃料を提示することによる関係悪化のリスクの他にも、高すぎる賃料で合意をしてしまうことでベストなタイミングを逃してしまうリスクがあります。
しかし、こういったリスクは、経験を積んだコンサルタントの診断を受けることで防ぐことも出来ます。
より確実性の高い賃料適正化をスムーズに行うために必要な、適正価格を導き出せるといった効果は、コンサルティングを利用する大きなメリットといえるでしょう。
効果その3:複雑な書類業務も全て任せられる
3つ目の効果は、複雑な書類業務も全て任せることができるため、通常の営業や業務に支障をきたす心配が少ないことです。
賃料適正化は、複数の家賃減額の必要性を裏付ける資料・データを取得し、分析をして、説得力のある協議内容を組み立てる必要があるため、事前の膨大な準備が欠かせません。これは特に慣れていない方にとってはとても労力のかかる作業です。
賃料適正化コンサルティングでは、請求に手間と時間がかかる書類管理や資料請求、専門的なデータの回収や減額を裏付ける数字の算出の全てを担います。
その結果、業務に負担をかけずに賃料適正化を図ることが可能です。
このように、複雑な書類管理を任せられることで、ミスやトラブルを防いで賃料適正化の成功に貢献します。
賃料適正化コンサルティングを利用する際の注意点
コンサルティングの導入により、効果的に賃料適正化を進められます。
ただし、より安全で確実な成果を期待するためにも、賃料コンサルティング会社を選ぶ際には、いくつかの注意点を踏まえる必要があります。
賃料適正化コンサルティングを利用する際の注意点は、以下の3つです。
- 手数料が発生する
- 賃料が下がらない場合もある
- 成果重視の過度な交渉を行う場合もある
それぞれの注意点について詳しく解説します。
注意点その1:コンサルティング費用が発生する
1つ目の注意点は、自社で取り組む際には発生しないコンサルティング費用がかかる点です。
自社で取り組むよりも効果的かつ効率的に賃料適正化を進められる一方で、本当に費用を上回る効果やメリットがあるかどうかを踏まえて検討する必要があります。
費用について、多くのコンサル会社では減額した家賃の数カ月分ほどが設定されていますが、実際に担当営業に確認してみることをおすすめします。
たとえば退去まで4カ月なのに、適正化を行って減額した賃料の半年分を請求されれば、適正化しない方が安かったという場合も起こりかねません。
ビズキューブは成功報酬型サービスで、賃料が下がった場合にしか報酬が発生しないため安心してご利用いただけます。
ご興味のある方はぜひ一度お問い合わせください。
注意点その2:賃料が下がらない場合もある
2つ目の注意点は、賃料が下がらない場合もあることです。
例えば立地がよく人気のエリアは、集客力も高く売り上げに貢献していると考えられるため、賃料がすでに適正であると判断されやすいです。
また、入居して間もない場合には、不動産や貸主との信頼関係が崩れやすく交渉が困難なケースがあります。
このような場合には、コンサルティングを導入しても賃料が下がらない場合があるため、一度無料の賃料診断を受け、適正化の必要があるかどうか確認しましょう。
注意点その3:成果重視の過度な交渉を行う場合もある
3つ目の注意点は、業者によっては成果重視の危険なコンサルティングを行う場合があることです。
コンサルティング業者によっては適正化が必要ない場合であっても、自社や自身の成果のため、賃料減額交渉を強行する場合があります。
このような業者に当たってしまわないためにも、事前面談やヒアリングの際、冷静に適正化が必要な物件であるかどうか分析しているか、交渉の内容や手段など数社に詳しい解説を聞くことが重要です。
こちらの利点だけではなく貸主の方、双方が納得のいく交渉術を持ち合わせているか確認し、高圧的で強引な対応を感じた場合には契約を見送ります。
貸主の方との今後の関係性に悪影響を及ぼしかねないため、コンサルティング導入を検討する際には必ず数社へ問い合わせ、コンサルティング会社のセールススタイルを確認しましょう。
賃料適正化コンサルティングを選ぶポイント
コンサルティング会社を選ぶ際の注意点をふまえ、最適なコンサルティング会社を見つけるためのポイントをご紹介します。
賃料適正化コンサルティング会社を選ぶポイントは、以下の5つです。
- 対応の丁寧さと速さ
- 専門家の在住
- スタッフや従業員の数
- ノウハウと実績の保有数
- 実際にコンサルティング会社の賃料診断を受ける
ポイントを踏まえ、自社の目指す適正化にふさわしいコンサルティング会社を選びましょう。
ポイントその1:対応の丁寧さと速さ
1つ目のポイントは、対応の丁寧さと速さを確認します。
コンサルティングを依頼する前の査定の段階で、対応が丁寧かどうかを見極めておくと安心です。
また、こちらの要望にスピーディーに対応してくれるかも確認するべき内容です。
実際に業務に慣れている実績のある会社であれば、対応の丁寧さ・スピード感は問題ないでしょう。
一方で、業務に慣れていない成果の低い会社の場合、スピード感はなく、仕上がり・丁寧さにも影響し、期待している効果を得られません。
特に賃料適正化は、失敗したときの経営へのマイナスの影響力が大きい施策のため、遂行力につながる迅速な対応と丁寧でこまめな連絡は、最重要チェック項目といえます。
ポイントその2:専門家の在籍
2つ目のポイントは、専門家が在籍しているかどうかです。
賃料適正化には専門的な知識や情報の回収スキルが必要のため、不動産における専門的な資格や登録があるかどうかを確認します。資格や経験のあるコンサルが専門の知識と情報を網羅した上での作成なのか、無料診断で一度精度をチェックしてくと安心です。
不動産のコンサルティングをしている会社でも、中には不動産鑑定業の登録をしていないところがあるので注意しましょう。
専門家の在籍確認はホームページや問い合わせることで確認できます。
ポイントその3:スタッフや従業員の数
3つ目のポイントは、スタッフや従業員の数です。
調査や事務、交渉担当など1つの交渉においても様々な業務が発生するため、滞りなく対応できるかの判断基準となるスタッフ数を確認します。業務に滞りがある、連絡がほとんどないなどの会社は、手が足りておらずサービス品質が低下している可能性があります。
成果も思わしくない結果を招く危険性があるため、スタッフや従業員の数は、最低でも50名以上が望ましいといえるでしょう。
ポイントその4:ノウハウと実績の保有数
4つ目のポイントは、ノウハウと実績の保有数です。
実際の賃料適正化の交渉に成功した事例や件数を開示しているかどうかを確認します。
実績や成功事例のない会社は、交渉サポートの経験が少ないあるいは、効果的な交渉成果を出せていない可能性が高いです。
この場合、経費を削るための施策であるにも関わらず、余計な費用が発生し経営を圧迫するリスクがあります。
実績のある会社は業務もスムーズで、効率的に交渉サポートを実施してくれて、成果も期待できるため、実績と事例の内容には必ず目を通しておきましょう。
ポイントその5:実際にコンサルティング会社の賃料診断を受ける
5つ目のポイントは、実際にコンサルティング会社の賃料診断を受けることです。
複数社の賃料診断を実際に受けてみることで、賃料適正化が必要であるかなどの確認ができます。
さらに、提示された診断書の内容が専門的な見解をもとに構成されているか、ネットでも書いてあるような根拠のない簡単な内容であるかで、コンサルティング会社の質を判断できます。
ビズキューブでは、鑑定資格を持つ専任スタッフによる賃料診断を無料で実施中です。
専門性の高い資料内容がどのようなものであるかの確認にもご活用いただけるため、ぜひ一度診断を受けてみてください。
賃料適正化コンサルティングの利用でコストの適正化を図ろう
賃料適正化には、専門的な知識と根拠にもとづく正確な資料準備が重要であることをお伝えしました。
業務の最適化と効果的な成果を獲得するためには、賃料適正化コンサルティングの導入や能力の事前確認が重要です。
ビズキューブでは、専門的な資格を保有する専任コンサルタントが賃料適正化に向けたサポートを実施しています。
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