契約書の管理&電子化

電子契約/電子交付/書面の電子保管の違い│正しく理解してペーパーレス化しよう

目次
  1. 電子保管の基礎知識│改正電子帳簿保存法への対応が必須
  2. 「電子保管」から、ペーパーレス化の第一歩をはじめませんか?

「電子契約」「電子交付」「書面の電子保管」の違いはご存知でしょうか?似たようなワードなので、混在してしまう方も多くいらっしゃると思います。

1998年に制定された「電子帳簿保存法」をきっかけに、当たり前のように思っていたハンコ文化から「脱ハンコ」や「ペーパーレス化」という風潮に変わってきています。
DX化の促進と共に、今まで「紙による交付」が義務付けられていた書類が「電磁的方法による交付」に変わったり、押印が不要になったり、さまざまな面で緩和措置がとられています。また、2022年1月に施行された「改正電子帳簿保存法」では「書面の電子保存」が大きく緩和されました。

今回はBtoBにおいての「電子契約」「電子交付」「書面の電子保管」の違いを具体的な例を用いて解説いたします。

「電子契約」の基礎知識│双方捺印の手間を電子化

電子契約とは、インターネットなどの通信回線による情報交換を合意成立の手段として用い、且つ、電子署名やタイムスタンプを合意成立の証拠として付与した電子ファイルを契約に利用するものの総称です。

本来契約は、契約自由の原則により、口頭、書面など締結方法は問わず成立するものとされています。(法令に特定の定めがある場合を除きます。)

契約は当事者の自由な意思に基づいて結ぶことができます。当事者間で結ばれた契約に対して は、国家は干渉せず、その内容を尊重しなければなりません。これを契約自由の原則といいます。「契約を結ぶかどうか」、結ぶとしても「誰と結ぶか」、「どのような契約内容にするか」について、 当事者は自由に決めることができます。

法務省説明資料 - 消費者庁

しかし、特にBtoB(企業間)の契約では、争いが起きた場合の裁判の証拠や、税法をはじめとする各種法令の要請から「署名または捺印のある書面」を用いて合意し、この「書面(=契約書)」を契約当事者双方が、少なくとも税法の求める期間、保管することが必須とされてきました。

①電子署名法や電子帳簿保存法など法的環境整備
②電子署名やタイムスタンプなどの技術基盤整備
③コロナ禍などによる書面への捺印業務を緩和したい企業ニーズ

などを背景に、「電子契約書面」をインターネットなどの通信回線による情報交換を合意成立の手段として用い、そのまま電子ファイルをサーバなどに長期保管する契約形態が増えています。

電子契約で対応できる書類

「委託先・委託元」や「●●する側・●●される側」のように、基本的には「双方捺印で締結する書類」となります。

  • 業務委託・請負契約書
  • 秘密保持契約書
  • 代理店契約書
  • 注文書・注文請書
  • 工事請負契約書
  • 委任契約書・準委任契約書
  • 雇用契約書
  • 保証契約書 など

電子契約による締結が可能な契約形態 - 新日本法規

※2022年3月時点の情報です。
 近年、書面の電子化に伴う法改正が積極的に行われているため、情報鮮度についてはご了承ください。

電子契約で対応できない書類

印鑑には大きく分けて実印・銀行印・認印の3種類があります。 法人登記の際に登録の届け出をした法的効力のある印鑑が法人実印で、法人口座の開設時に金融機関に登録するのが法人銀行印です。
電子契約で使用する電子印鑑は「認印」と同等の効力であると推定されるものの、「実印」「法人銀行印」が必要な書類は、電子契約で対応することができません。

  • 公正証書(実印が必要となる場合)
  • 口座振替依頼書(法人銀行印が必要となる場合)

※一部、商業登記にも利用可能な電子契約ツールもあります。
※2022年3月時点の情報です。
 近年、書面の電子化に伴う法改正が積極的に行われているため、情報鮮度についてはご了承ください。

「電子交付」の基礎知識│書面送付の手間を電子化

電子交付の「電子」とは「電磁的方法」のことです。平成13年10月の内閣府令の改正により、さまざまな法律によって規定されている書面をインターネットなどの通信回線を通じて、PDFデータやメール文書などの電磁的方法で交付・送付することの総称です。

電子交付は日常生活でも多く導入されているので、少し身近に感じられるかもしれません。
具体的な例としては、携帯電話やクレジットカードの利用明細です。2014年頃から環境保全の一環として、各企業が「WEB明細」を導入し、紙発行を希望する際には発行手数料を取るようになりました。
また、今まで紙で発行していた「源泉徴収票」や「給与明細」をWEB化対応する企業も近年増えてきました。

電子交付で対応できない書類

法律上「書面交付が義務付けられている」ものは電子交付で対応ができません。

契約類例根拠条文電子化にまつわる改正法
施行予定年月
不動産売買・交換の媒介契約書宅建業法34条の22022年5月
不動産売買・賃貸借契約の
重要事項説明書
宅建業法
35条5項・7項
2022年5月
不動産売買・交換・賃貸借契約成立後の
契約等書面
宅建業法37条2022年5月
定期借地契約書借地借家法22条2022年5月
事業用定期借地契約借地借家法23条
定期建物賃貸借契約書借地借家法
38条1項
2022年5月
定期建物賃貸借の説明書面借地借家法
38条2項
2022年5月
取壊予定建物の賃貸借契約における
取壊事由書面
借地借家法
39条2項
2022年5月
特定商取引(訪問販売等)の契約等書面特定商取引法
4条ほか
2023年6月
質屋営業法における許可不可事由書面質屋営業法
3条3項
※上記は2022年2月時点での該当例を一部抜粋したもので、全てではありません。

また「電磁的方法での交付」について相手の承諾および希望が必要となる場合もありますので、以下に一例を記載します。

契約類例要件根拠条文
建設請負契約承諾建設業法19条3項、
同法施行規則13条の4
下請会社に対する受発注書面承諾下請法3条2項
旅行契約における説明書面承諾旅行業法第12条の4、第12条の5、
施行令第1条等
不動産特定共同事業契約書面承諾不動産特定共同事業法第24条、
第25条
マンション管理委託契約締結に
関する交付書面
承諾マンション管理適正化法72条、
73条
投資信託契約約款承諾投資信託及び投資法人に関する法律
5条2項
労働条件通知書面希望労働基準法15条1項、
施行規則5条4項
派遣労働者への就業条件明示書面希望派遣法34条、
施行規則26条1項2号
※上記は2022年2月時点での該当例を一部抜粋したもので、全てではありません。

※2022年3月時点の情報です。
 近年、書面の電子化に伴う法改正が積極的に行われているため、情報鮮度についてはご了承ください。

電子保管の基礎知識│改正電子帳簿保存法への対応が必須

電子保管とは、紙や電磁的方法で作成・受領した取引情報を電子データとして保管することを指します。
2022年1月に施行された改正電子帳簿保存法にて、スキャナ保存制度の要件が緩和されましたが、一方で、電子データで授受した取引情報の書面保存廃止も同時に施行されたため、企業は対応に追われています。

電子保管できる書類

2022年1月に施行された改正電子帳簿保存法にて、授受した書類についての電子データでの保存が可能になりました。

※上記は2022年2月時点での該当例を一部抜粋したもので、全てではありません。

自身で作成したもの

  • 最初の記録段階から一貫してコンピュータを使用して作成された帳簿
  • 紙で作成された書類(棚卸表、貸借対照表、損益計算書など)
  • コンピュータを使用して作成された書類(棚卸表、貸借対照表、損益計算書など)
  • 電子取引情報(電子契約などで締結した契約書など)

自身が受領したもの

  • 紙で作成された書類(棚卸表、貸借対照表、損益計算書など)
  • コンピュータを使用して作成された書類(注文書、領収書など)
  • 電子取引情報(電子契約などで締結した契約書など)

電子保管できない書類

手書きで作成された帳簿は、電子データでの保存が認められていません。

※最初の記録段階から一貫してコンピュータを使用して作成された帳簿は電子データでの保管が認められています

電子保管しなければならない書類

2022年1月に施行された改正電子帳簿保存法にて、電子データで授受した取引情報の書面保存廃止になりました。
これに伴い、電磁的方法で受領した書類などは、改正電子帳簿保存法の保存要件を満たした状態で、電子データでの保存となります。

デジタルで授受したら、デジタルで保管

ペーパーレス化にまつわる法改正には大きく分けて以下の2種類があります。

 ■紙でなければならなかった書面が、電子交付可能になる(=紙でも電子データでも可)
  例:2022年5月施行予定「宅建業法・借地借家法改正」
    2023年6月施行予定「特定商取引法改正」 など

 ■紙でも電子データでもよかった書面が、電子データのみになる(=紙では不可)
  例:2022年1月施行「改正電子帳簿保存法」 など

『電子化できるようになりました』と、『今後、紙での対応は認めません』では、企業の対応方法がまったく異なります。
特に、2022年1月に施行された「改正電子帳簿保存法」は電子データで授受した取引情報の書面保存を廃止する内容なので、後者に該当します。
この「改正電子帳簿保存法」は、会社規模に関わらず全事業者が対象のため、対応が間に合わない企業側も多く、2021年12月10日に公開された令和4年度税制改正大綱に『令和 4 年度税制改正大綱に電子取引情報の電子保存ができないことについて、納税地等の所轄税務署長が「やむを得ない事情がある※」と認めていること、且つ、電子取引の取引情報を整然とした形式・明瞭な状態で提示又は提出の求めに応じることができるようにしている場合は、令和 5 年( 2023 年)末までの 2 年間は引き続き従来どおり電子取引情報の書面保存が可能』という旨が記載されました。
※「やむを得ない事情」とは、電子取引情報の電子保存に係るシステムや社内のワークフローの整備が完了していない等、保存要件に従って電子保存を行う準備を整えることが困難である状況を指します。

つまり、自社がペーパーレス化に取り組んでいようがいまいが、先方から電子データで受領した場合、電子保管しなければならなくなる日がやってくるということです。

「電子保管」から、ペーパーレス化の第一歩をはじめませんか?

一見やることが多くて面倒に思える「ペーパーレス化」ですが、現場ではペーパーレス化を望む声が多いのではないでしょうか?

 ・リモート稼働中外出先から、書類内容を確認する方法がない
 ・契約書が各拠点ごとに存在しており、管理体制もバラバラになっている
 ・グループ会社間、部署間での情報共有ができない

  • ■創業20年の実績に基づく根拠あるシステム構築
  • ■複雑な契約書の解読・登録もサポート
  • ■ISMS認証取得
    【認証番号( IS 595039 ISO27001 契約管理部) 】

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