内装工事

A工事・B工事・C工事の違い|費用負担は?業者の選定・発注は?

目次
  1. A工事・B工事・C工事の基本理解
  2. A工事・B工事・C工事の対象範囲の違い
  3. B工事の対象になる主な工事
  4. B工事によるトラブル!「費用が高い」と感じたら
  5. 原状回復工事におけるA工事、B工事、C工事
  6. オフィス移転・改装をスムーズに進めるために
  7. 原状回復工事の費用が高いとお困りなら

ビルや商業施設の内装工事を行う時に、ABC工事という言葉を耳にすることはありませんでしょうか?

店舗やオフィスが、ビルや商業施設の入退去時に行う工事は「業者への発注者」「業者の選定者」「費用負担者」「所有権」の違いによって、A工事、B工事、C工事という工事区分があり、これらをまとめてABC工事と呼びます。

この工事区分ですが、入居時に中身がわからないまま賃貸借契約をして工事を進めてしまうと、後々トラブルが起こることもあります。

入退去をスムーズに進めるためにも、A工事、B工事、C工事の違いを理解しておきましょう。

A工事・B工事・C工事の基本理解

A工事・B工事・C工事の3つの工事区分は、「業者への発注者」「業者の選定者」「費用負担者」「所有権」の違いできまります。対象となるビルや商業施設などによって工事区分の取り決めは異なりますので事前に確認しておきましょう。

A工事・B工事・C工事の工事区分をまとめると、下記の表のとおりになります。
※A工事やC工事とは異なり、B工事は業者の選定のみを貸主側が担当するため、比較的問題が発生しやすい傾向にあります。

工事区分業者への
発注
業者の
選定
費用負担所有権
A工事貸主貸主貸主貸主
B工事借主貸主借主貸主
C工事借主借主借主借主

工事の区分について詳しく解説していきます。

A工事とは?

  • 業者への発注:貸主
  • 業者の選定:貸主
  • 費用負担:貸主
  • 所有権:貸主

「A工事」は、建物全体に関わる工事で、主にビルの外装や外壁、共用トイレやエレベーターなどの共有部分になります。
建物の資産価値に関わる工事なので、貸主がすべて担当します。
共有部分で気になる箇所があれば、貸主に申し出て、工事をしてもらいましょう。
また工事した箇所や物の所有権は当然、貸主になります。

A工事の注意点

A工事は借主が費用負担しませんが、工事期間中は、騒音や振動などの影響を受ける可能性があります。 また、A工事の内容によっては、借主の事業に影響が出るケースも考えられます。そのため、事前に契約書で、以下のような点をしっかり確認しておくことが重要です。

  • A工事の実施時期や期間
  • テナントへの影響(騒音、振動、断水など)
  • 工事内容に関する情報提供
  • 専有部分への影響がある場合の対応

B工事とは?

  • 業者の発注:借主
  • 業者の選定:貸主
  • 費用負担:借主
  • 所有権:貸主

「B工事」は、専用部分ではあるものの建物全体に関わる可能性がある工事で、照明、空調、防災などになります。
借主の希望で工事をしますので、借主が費用を負担します。
しかし業者は貸主が選ぶので、借主が業者に対して工事価格の交渉を行えません。ご注意ください。
またビルや商業施設など建物全体に関わる設備にあたるため、所有権は貸主になります。

B工事は、なぜ費用負担は借主なのに、貸主が業者選定をするのか

工事区分として、「B工事」の費用負担は借主であるものの、貸主側が業者選定を行うルールになっているのはなぜでしょうか?

理由としては、専有部分の設備に関する工事であるものの建物全体の安全に関わる工事になるため、民法上の権利で工事部分の所有権を持つビルオーナーなどの建物所有者である 貸主に業者選定責任があります。

例えば排水や排気などの設備に関する工事は、借主の部屋だけでなく、建物全体に影響を及ぼす可能性があるでしょう。
その時に安全性のある工事を行ってもらえるのか、貸主側がしっかり管理する必要が出てきます。

そのためB工事の場合は、業者選定の責任が貸主側にあるのです。

原状回復工事とは?範囲・費用・スケジュールに関する注意点を解説
原状回復工事とは?範囲・費用・スケジュールに関する注意点を解説

B工事の注意点

B工事は、建物全体に影響を及ぼす可能性があるため、貸主は、借主に指定業者による施工を求めるケースが一般的です。  指定業者の場合、価格交渉が難しい場合もありますが、以下のポイントを事前に確認しておくことで、トラブルを防ぐことができます。

  • 複数の業者から相見積もりを取る
  • 見積もりの内訳を詳細に確認する
  • 工事内容について不明点があれば質問する
  • 工事期間やスケジュールを明確にする

C工事とは?

  • 業者の発注:借主
  • 業者の選定:借主
  • 費用負担:借主
  • 所有権:借主

「C工事」は、専用部分の工事で、クロスの張り替えなどの内装工事/電源・電話・インターネットなどの配線工事/什器設置工事などがあてはまります。
貸主に承認してもらう必要がありますが、自分で業者が選べるので、価格交渉を行うことが可能です。
また専用部分ですので所有権は借主になります。

C工事の注意点

C工事は、借主が自由に業者を選定できますが、責任を持って業者を選び、スケジュール管理を行う必要があります。 また、退去時には、原状回復義務が発生するため、注意が必要です。

業者選び

実績や費用だけでなく、コミュニケーション能力や対応力も重視して選びましょう。

スケジュール管理

C工事の遅延は、その後の工程に影響を及ぼす可能性があります。 スケジュール管理を徹底し、スムーズな工事進行を目指しましょう。

原状回復義務

賃貸借契約に基づき、退去時には、内装を借りた当時の状態に戻す必要があります。 原状回復費用を考慮し、工事内容を検討する必要があります。

 C工事の業者選びのポイント

C工事の業者を選ぶ際には、以下のポイントを考慮しましょう。

実績

オフィス内装工事の実績が豊富であるか、過去の実績や事例を確認しましょう。

ワンストップ

内装工事から電気・電話工事まで、ワンストップで対応してくれる業者であれば、窓口が一本化され、スムーズな工事進行が期待できます。

コミュニケーション

担当者とのコミュニケーションがスムーズで、要望をしっかり聞いてくれる業者を選びましょう。

A工事・B工事・C工事の対象範囲の違い

A工事・B工事・C工事の対象範囲の違いは以下の表でご確認ください。

区分対象範囲具体例
A工事ビル全体の共用部分外壁、エントランス、エレベーター、共用トイレ、給排水管など
B工事ビル全体に影響を及ぼす可能性のある専有部電気設備、空調設備、防災設備、給排水管の専有部内部分など
C工事テナントが自由に使える専有部内内装、照明器具、電話線、LAN配線など

B工事の対象になる主な工事

B工事の対象となる工事内容について、詳しく解説していきます。
※厳密な工事区分はビルや商業施設毎に異なります。賃貸借契約書をご確認ください。

分電盤・電気設備

電気を各テナントに分ける設備である分電盤は、漏電の検出や電気の使い過ぎを防止する役割を持っています。
分電盤や電気設備はテナント専有部分にある設備ですが、建物全体に影響を及ぼすとして「B工事」に分類されるでしょう。
建物全体の資産価値を保つためのA工事には分類されませんが、工事を行うことで建物の安全性に関わることからB工事に該当します。

空調設備

オフィスや店舗などが入る建物の場合は、建物全体に関わる設備として「空調設備」の工事はB工事に該当します。
空調設備は専有部分の設備工事ですが、建築物環境衛生管理基準に沿って空気基準を保つために必要な設備です。

給排水設備

給排水設備はテナント専有部分にある設備ですが、各テナントに分ける役割があるため建物全体に影響を及ぼします。
万が一、設備が正常に稼働しない場合は、建物自体のトラブルに発展します。

また法律で半年に1度は点検の義務があります。

防災設備

防災設備はテナント専有部分に該当する設備ですが、おろそかにすると建物全体に影響を与えるためB工事に分類されます。

借主の部屋で起きたトラブルが、他の部屋に影響を与える可能性もあるため、きちんと設備を整える必要があるのです。

B工事によるトラブル!「費用が高い」と感じたら

貸主側に提示されたB工事の費用が高いと感じた場合は、貸主側に一度相談してみましょう。
相談前には以下のポイントを確認して原因かどうか確かめましょう。
※工事の分類や工事を行う際の手続きは、テナントの賃貸借契約を結ぶ際の工事区分表に細かく記載されています。

A工事の内容がB工事に組み込まれているおそれがある

見積もりで、A工事の内容がB工事として組み込まれているケースがあります。手続き上のミスの可能性もあるので、工事内容に違和感を覚えた場合は、貸主側に連絡しましょう。

そのまま工事が進むと、B工事として費用を負担しなくてはいけなくなるので注意が必要です。

区間により工事区分がB工事となる場合がある

テナント専有部分の工事であっても給排水管設備などは、建物全体に影響を与える設備であるため、区間によってはB工事として判断される可能性があります。
どのような工事がB工事として分類されるのか理解した上で、見積もりの内容を確認していきましょう。

値下げ交渉ができないか検討してみる

貸主に相談する際は、値下げという金額のことだけでなく、他の工事区分に切り替えてもらえないのか、話し合いを行うことも大切です。
A工事にできないか交渉し、もし貸主側がA工事で納得すれば、借主側が費用負担する必要はありません。また内部に関わる工事であれば、C工事にしてほしいと相談する方法もあります。どの部分を工事するのか相談するためにも、C工事の見積もりを別業者に出してもらい、交渉を行いましょう。

原状回復工事におけるA工事、B工事、C工事

退去時の原状回復義務と工事区分の関係

退去時の原状回復工事は、A工事、B工事、C工事のいずれに該当するかによって、費用負担が異なります。 原状回復工事が必要となるケースを、区分別に見ていきましょう。

区分原状回復工事が必要となるケース費用負担
A工事共用部分の老朽化や破損貸主
B工事テナントが設置した設備の撤去や改修借主
C工事テナントが行った内装や設備の変更借主

原状回復工事の費用を抑えるためのポイント

原状回復工事の費用を抑えるためには、以下のポイントを押さえましょう。

契約書の内容確認

賃貸借契約書に記載されている原状回復義務の範囲や費用負担について、事前に確認しておきましょう。

原状回復費用を考慮した工事

オフィス移転・改装時に、原状回復の際に費用がかかりにくいような素材や工法を選ぶことで、後々の費用を抑えることができます。

日頃のメンテナンス

日頃からオフィスを綺麗に使い、設備のメンテナンスを適切に行うことで、原状回復工事の規模を縮小できます。

オフィス移転・改装をスムーズに進めるために

専門家への相談のメリット

A工事、B工事、C工事の区分や原状回復工事については、専門家に相談することで、トラブルを未然に防ぎ、スムーズなオフィス移転・改装を実現できます。 専門家には、以下のようなメリットがあります。

適切な工事区分や費用のアドバイス

経験豊富な専門家は、工事内容に応じて、適切な区分を判断し、費用を抑えるためのアドバイスを提供してくれます。

信頼できる業者選定のサポート

多くの業者と取引がある専門家は、借主の要望に合った信頼できる業者を紹介してくれます。

スケジュール管理や調整

専門家は、工事全体のスケジュール管理や関係者との調整を代行してくれるため、借主は業務に集中できます。

 

原状回復工事の費用が高いとお困りなら

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