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【2022年版】 契約書電子化の現状|紙の契約書を電子化する際に抑える要件とは?

テレワーク導入やオフィスのペーパーレス化などを背景に、契約書の電子化を検討する企業が多くなっています。契約書を電子化する際には、主に「電子契約」「電子取引(電子交付)」「紙の電子データ化」という選択肢があります。

本コラムででは、契約書電子化の現状と複数ある電子化の手法のなかでも、紙の契約書を電子化する方法(紙の電子データ)について解説しますので、ぜひ参考にしてください。

【2022年】 契約書電子化に関する法律

オンライン化にともない、契約書をはじめとした各種ビジネス文書を電子化するニーズが高まっています。電子ファイルでも紙媒体と同様に証拠力や法的効力を担保できるように、法的な環境も整備されつつある状況です。

e-文書法も電子帳簿保存法も、従来法令により書面(紙)での保存が義務付けられていた法定保存文書を電子データで保存することを容認する法律(電子文書法)ですが、電子化要件を定めている範囲が異なります。よく似た法律ですので1つずつ説明していきます。

e-文書法

民間事業者に義務付けられている文書の保存について、紙の書類に代わり電子文書による保存方法を認めた法律で、2005年4月1日から施行されました。対象となる文書の種類には契約書も含まれ、技術的な要件を満たすことによって、電磁的記録による保存ができるようになります。e-文書法における基本要件は「見読性」「完全性」「機密性」「検索性」の4つです。ただし、文書の種類によって満たすべき要件が異なり、契約書では主に見読性を確保するよう規定されています。

なお、e-文書法という名称は2つの法律の総称であり、正式には「民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律」と「民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」のことを指します。

2021年5月可決のデジタル改革関連法案(押印・書面手続きの見直し)

2021年5月に可決された6つの法案の総称です。社会全体におけるデータの利活用へ向けて、デジタル化の推進を目的としています。これにより行政・民間ともに公的な手続きの仕組みが大幅に見直され、利便性の向上が期待されています。デジタル改革関連法案に含まれる法案は以下の通りです。

  • デジタル社会形成基本法案
  • デジタル庁設置法案
  • デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律案
  • 公的給付の支給等の迅速かつ確実な実施のための預貯金口座の登録等に関する法律案
  • 預貯金者の意思に基づく個人番号の利用による預貯金口座の管理等に関する法律案
  • 地方公共団体情報システムの標準化に関する法律案

なかでも「デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律案(デジタル社会形成整備法案)」には、行政や民間企業の手続きにおける押印・書面の交付を見直す内容が含まれています。これにより、一部の契約書では押印の義務が緩和されました。また、当事者の承諾がある場合、紙の書類の交付に代わり文書ファイルでの提供が可能となっています。

2022年1月施行の改正電子帳簿保存法(電子データの保存要件の緩和、電子取引によるデータ保存の義務化)

2021年の税制改正にともない、1998年に制定された「電子帳簿保存法(電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律)」の内容を見直したものです。電子化による経理の生産性向上、記帳水準向上などを目的としています。

2022年の改正では、帳簿書類を電子データで保存する際の手続きが、これまでと比較して使いやすく整備されました。改正後は、書類の電子データ保存を導入する際、税務署長の事前承認が不要となり、事務作業の負担が軽減されます。また、電子データ保存のシステム要件が緩和された点も注目です。たとえば、検索要件における記録項目が「取引年月日」「取引金額」「取引先」に限定されました。また、スキャナ保存のタイムスタンプ要件も緩和され、タイムスタンプを付与する際の期限が「最長で約2カ月と概ね7営業日以内」に延長されています。一方で、電子取引の注意点として、取引情報のデータ保存が義務化される点が挙げられます。電子取引のデータは紙の書類での保存が認められず、電子保存が必須となるためご注意ください。

契約書の電子化による区分

一言で契約書の電子化といっても 「電子契約」「電子取引(電子交付)」「紙の電子データ化」と3区分があります。紙の契約書を電子化する(紙の電子データ化)は比較的イメージしやすいとかと思いますが、各区分について、しっかり把握しておきましょう。

電子契約
インターネットを介して相手方との情報交換を行い、合意成立後に電子データで契約を締結する手続きのことを指します。オンラインで合意形成が行われるのが特徴で、証拠として電子署名やタイムスタンプが付与された電子データを保管します。電子契約に対応するには、「電子署名法」や「電子帳簿保存法」などの法規に基づいた社内環境の整備や、電子データ上のなりすましや改ざんを防ぐ技術基盤の整備が必須です。
電子取引(電子交付)
書類を電磁的方法で交付・送信する方法の総称です。電磁的方法には、文書を電子メールに添付して送付したり、Webサイトから閲覧またはダウンロードする形で提供したり、記録媒体で交付したりと、さまざまな手段があります。代表例として挙げられるのは、オンラインで閲覧できるクレジットカード会社の利用明細や、勤務先からPDFファイルで発行される給与明細などです。一方で、法律上で書面交付が義務付けられている書類は、電子交付に対応できません。
紙の電子データ化
紙媒体の契約書でやりとりした情報を、電子データで保管する方法のことです。たとえば、紙の契約書をスキャナで取り込み、PDF形式のファイルなどに変換してデータ化する場合などが該当します。

紙の契約書を電子化する際の要件とメリット・デメリット

紙の契約書を電子データ化する際に押さえておきたい基礎知識を解説します。「e-文書法」における基本要件や、「電子帳簿保存法」におけるスキャナ保存の要件、紙の契約書を電子化するメリット・デメリットについても解説いたします。

e-文書法における4つの基本要件

見読性
電子データを表示および印刷可能な状態で、かつ内容を明瞭に読み取れる状態に保つことを意味します。電子データ化した契約書をディスプレイに表示した際や、プリンターで印刷した際も、情報を問題なく確認できるよう調整が必要です。
完全性
電子データの内容が改ざんされたり、電子データが消去されたりしないことを意味します。契約書の保存期間を過ぎるまでは、ファイルの消去や破損がないよう、安全な環境で保管する必要があります。データのバックアップを取る対策も講じましょう。
機密性
電子データの情報漏えいや盗難を防止する目的で、十分な対策が講じられていることを意味します。契約書をはじめとした重要書類は、第三者による不正アクセスを防ぎ、外部からのサイバー攻撃に備えるために、セキュリティ対策を徹底することが大切です。
検索性
必要に応じて電子データを検索できる状態に整えることを意味します。データ化された契約書などの書類は、求めに応じて速やかに探し出し、提示できるように管理する必要があります。契約書の枚数が多い場合には、情報を整理して検索性を高めましょう。

電子帳簿保存法におけるスキャナ保存とその要件

電子帳簿保存法におけるスキャナ保存に対応しているのは、国税関係書類の規則第3条第3項で規定されている書類を除いたすべての書類です。具体的には、主に以下の書類がスキャナ保存に対応しています。

  • 契約書
  • 領収書
  • 請求書
  • 納品書
  • 検収書
  • 見積書
  • 注文書 など

一方で、仕訳帳や現金出納帳といった帳簿に関しては、スキャナ保存が認められていません。紙媒体で作成した帳簿は、紙の原本を保存しておく必要があります。

【出典】国税庁「電子帳簿保存法一問一答【スキャナ保存関係】」問2 どのような書類がスキャナ保存の対象となりますか。

https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/07scan/01.htm#a002

電子帳簿保存法におけるスキャナ保存の要件として、「真実性の確保」と「可視性の確保」の2件が定められています。真実性の確保とは、書類の内容が真実として認められることを指し、訂正や削除を行った履歴を確認する仕組みが求められます。可視性の確保で重要なのは、書類の内容が明瞭に読み取れること、検索できる状態が保たれていることです。満たすべき要件は書類の重要度によって異なります。

紙の契約書を電子化するメリットとデメリット

メリット

紙の契約書を電子化すると、長期的な視点での経費削減につながります。電子データは社内に保管場所を確保する必要がありません。デジタル化を推進すると、書類を保管するオフィスのスペースや、キャビネットなどの備品が不要となります。省スペースでの運用を実現し、文書管理のコスト削減が期待できます。また、保管した書類の整理で発生する事務作業の手間を減らせるのもポイントです。業務上で頻繁に契約を締結し、膨大な量の契約書を取り扱う企業に適しています。

さらには、社内のペーパーレス化が推進されて業務効率化につながり、テレワーク(リモートワーク)の働き方に適合させやすいのも大きなメリットです。電子データはクラウドストレージなどで保存でき、保管方法や検索方法が簡単です。インターネット環境さえあれば、出社しなくても必要な書類に容易にアクセスできます。紙の書類のように原本を紛失するおそれがないため、管理業務でも安心しやすく、また、文書に閲覧制限をかければ、担当者以外への情報漏えいを防ぐ対策も可能です。

デメリット

自社が保有する紙の契約書を電子化するためには、スキャナ保存の作業に少なからずコストがかかります。大量の契約書を保管しているケースでは、スキャンに多くの時間がかかり、過去の書類の整理が完了するまでに一定の期間を要することもあります。また、現場のスタッフがデジタル機器に慣れない場合は、電子データによる管理や閲覧に負担を感じるかもしれません。移行の際はこれらのデメリットを考慮して、スムーズなデータ化や業務への導入をサポートするサービスを利用するのがおすすめです。

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