契約書の管理&電子化

契約管理│管理上の「うっかり」を防止するには

目次
  1. 契約管理の基礎知識
  2. 企業が契約管理を徹底するべき2つの理由
  3. アナログ管理は要注意!懸念リストとでデメリットの確認を
  4. 「契約管理システム」を利用してリスク回避!
  5. 契約管理を見直して、課題を解決するために

契約管理業務では、思わぬトラブルが起こることも。更新を忘れて期限が過ぎたり、管理上の「うっかり」で失敗してしまった経験はないでしょうか。契約書を紙ベースでアナログ管理していると、人為的なミスが発生しかねません。
現状の契約管理を見直し、課題の解決を目指しましょう。

本コラムでは、企業が契約管理へ取り組む重要性や、システム導入で電子化するメリットについてお伝えします。

契約管理の基礎知識

企業活動では多種多様な契約手続きが行われており、ひとつひとつの案件の内容を正確に管理する必要があります。初めに、そんな契約管理業務の基礎知識をお伝えします。

契約管理とは

契約管理とは、企業間で締結した契約内容と契約書類を管理する業務のことです。
契約締結時に定めた期限・更新などのタイミング、取引事項の確認、解除手続きなどを行います。契約管理が適切に行われなければ、契約内容に沿った業務の遂行に支障をきたします。

【2022年版】 契約書電子化の現状|紙の契約書を電子化する際に抑える要件とは?
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契約書で管理するべき項目の一例

契約管理業務では、主に以下の項目を管理します。

  • 契約書のタイトル
  • 契約書の管理番号
  • 契約締結日
  • 契約開始日
  • 契約終了日
  • 契約更新日
  • 契約書の保管場所
  • 契約ステータス

項目によっては、定期的なタイミングで見直しを行ったり、トラブル発生時に早急に内容を確認したりする必要があります。

企業が契約管理を徹底するべき2つの理由

 なぜ企業は、「契約管理」をする必要があるのでしょうか。企業が契約管理を徹底するべき理由は主に2つあります。

  • リスクマネジメントにつながる

契約管理を徹底することで、企業間取引のリスク対策が可能となります。
契約管理できない場合に想定されるリスクには、紛争時の損害賠償請求、契約の解除、契約更新期限の管理漏れ、契約内容の流出、契約書の紛失などが挙げられます。
自社の企業イメージ低下や機会損失の防止といったリスクマネジメントにつながるため、適切な契約管理が重要です。

  • 業務効率化が期待できる

契約書の共有や確認作業には、一般的に多くの時間がかかりやすいといえます。
その理由として、契約内容や取引先、部署ごとにフォーマットや保存形式が異なるケースがあるためです。
契約書を適切な方法で一元管理することで、契約書の保管・取り出しにかかる業務効率の改善や工数の削減が期待できます。

アナログ管理は要注意!懸念リストとでデメリットの確認を

契約書を紙で管理している企業では、複数のリスクが懸念されます。アナログ管理による自社の課題を確認し、管理方法の見直しをご検討ください。

  • ヒューマンエラーが発生しやすい

契約管理で人力での作業が多い場合、ヒューマンエラーが発生しやすいのが課題です。たとえば、管理台帳の入力ミス・契約の更新漏れ・書類の誤送信が起こるおそれがあります。紙媒体やExcel(エクセル)などの表計算ソフトを使用して契約書管理をしている企業に多いため、ご注意ください。

  • 部署間での情報共有が難しい

締結済みの紙の契約書は、営業担当者がそれぞれ個人で保管していたり、法務部や経理部がまとめて管理していたりして、部署間での情報共有が滞ってしまうケースが少なくありません。情報共有をスムーズに行えないと、契約の確認に多くの時間がかかってしまい、取引先の心象を悪くするおそれがあります。
ただし、共有をスムーズにする目的で契約書のコピーを用意し、各部署で保管する方法は適切ではありません。情報漏えいのリスクが高まるため、別の方法を検討すべきでしょう。

  • 更新手続きが煩雑化しやすい

自社の案件数が増えると、管理すべき契約期限の数も膨大になり、更新や解約漏れが発生しやすくなります。
企業間の取引には契約ごとに有効期限が設定されており、適切なタイミングで更新や解約などの手続きが必須です。
取引先や契約内容ごとに、更新時期を適切に把握・管理するツールの導入やシステムの構築が不可欠といえます。

  • 電磁的方法で送付された場合、紙で保管ができない

2022年の電子帳簿保存法の改正以降は、電子契約で用いたデータの保存が、送信側・受信側の双方に義務づけられます。
電磁的方法で送付された契約書は、紙書類での保存は原則認められていません。
改正から2年間の猶予期間が設けられていますが、現状では対応が困難な企業も、電子データの保存に適した環境を徐々に整備していくことが求められます。

【2022年1月施行】 電子帳簿保存法の基本事項と改正ポイントをわかりやすく解説
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  • ペーパーレス化が進んでいない場合、テレワークに対応しにくい

近年では、社内にリモートワーク体制を構築する目的で、ペーパーレス化を推進する企業が多くなっています。
契約管理を紙ベースで行うと、印刷や書類の受け取りのために社員がオフィスへ出社する無駄な業務が発生し、テレワークへの対応が困難となるためです。生産性向上の観点からも、契約管理をペーパーレス化できると望ましいでしょう。

「契約管理システム」を利用してリスク回避!

「契約管理システム」とは、契約書類を管理して効率的な運用の実現をサポートするソリューションです。
スムーズな検索をはじめとして、文書管理に役立つ機能が搭載されています。ここでは、契約管理システムの強みとなる特徴、メリットについてご紹介します。

  • 契約の更新確認がしやすい

契約管理システムには、契約更新を通知する機能が搭載されています。チェック漏れによる期限切れを防ぎ、確実に契約更新ができるため安心です。通知の方法には、アラートやリマインドメール送信といった種類があり、通知するタイミングなどの条件を設定できるシステムもあります。

  • 契約を検索しやすい

契約管理システム上で管理されている契約書は、さまざまな条件で検索できるようになります。たとえば、契約相手や契約締結日などの契約情報、文書に含まれるキーワードなどで該当する契約書を検索可能です。紙の書類をファイリングする場合と比較して、必要な資料へ迅速にアクセスできます。

  • 業務にかける時間を短縮化できる

契約管理システムの導入と、管理体制の整備によって、情報共有の手間や工数が減り、社内の連携が強化されます。従来よりも管理業務にかける時間が短縮され、担当者がより重要度の高い業務に集中しやすくなるでしょう。

  • セキュリティを向上させやすい

契約管理システムは管理機能が充実しており、データ化した書類のアクセス制御を行えます。必要に応じて閲覧制限やダウンロード制限をかけ、担当者のみに閲覧権限を付与できるため、セキュリティの向上も期待できます。社内の文書管理規程の徹底にも有効です。

  • ペーパーレス化に対応しやすい

契約管理システムは、社内のペーパーレス化推進にも役立ちます。電子契約書はクラウドなどで容易に共有でき、オンライン上でもやり取りが可能です。ネット環境さえ用意すれば、社員がオフィスへ出社することなく、どんな場所でも柔軟に業務をこなせるようになります。

  • コスト削減につながる

企業が取り扱う契約書類の枚数は膨大で、グループ会社では数千件もの枚数になるケースも珍しくありません。紙の契約書の場合は、印刷や郵送に多くのコストのほか、印紙税も発生します(電子データの契約書には印紙税がかかりません)。契約管理システムを導入し、電子契約に切り替えると、こうしたコストの削減につながります。

契約管理を見直して、課題を解決するために

企業が契約管理へ取り組む重要性や、システム導入で電子化するメリットについて解説しました。契約管理の徹底は、社内のリスクマネジメント強化や業務効率化につながります。お伝えしたアナログ管理の課題を踏まえて、契約管理サービスの活用をご検討ください。

契約管理110番®』は、契約書締結時の文章や口頭による取引履歴の詳細を記録管理するクラウド型管理サービスです。契約管理を一元管理することで、多岐にわたる作業を省くことができ、効率的な運用ができます。『契約管理110番®︎』の詳細説明をした資料だけでなく、操作時のイメージをつかみやすいデモ画面もご用意しております。ぜひ契約管理サービスの選定にお役立てください。